カタカナの氾濫ってどうなのよ!?

twitterでタイムラインを眺めていたら、産経新聞のページに漂着(笑)しました。でそこにあるバナーに

「リスキリングによる『人材育成』とエンゲージメントの高い組織づくり」

というものを発見(セミナー広告なのでリンクははりません)。この文章を読んで意味を十分理解できている人はどのくらいいるんでしょうね。

なんで理解しづらいのかというと、私はここで使われている「リスキリング」と「エンゲージメント」という2つのカタカナ英語がその原因だと思っています。この2つの言葉、意味わかりますか?私は特に「リスキリング」という言葉が最初わかりませんでした。英語で書くと”Re-skilling”になるんですね。”skilling”という単語に前置詞の”Re-“がついた言葉なんですよ。「リ」が前置詞の”Re”だということがわかれば、簡単に意味を理解できました。
「リ・スキリング」と書いてあれば意味が伝わりやすいんですが、私は最初、リス・キリングって区切ってしまいました。「キリング=killing でしょ!?リスってなんだろ」ですよね。またスキルは”skill”で辞書で調べると「名詞」であって-ingがつく「動詞」とされていません。re-skillingを調べていくうちに、2018年に世界経済フォーラムで”Reskilling”という言葉が使われたようで、そこから日本でも使われるようになったのではないか??ということがわかってきました。

リスキリング(Re-skilling)を日本語にすると「技能再習得」という言葉になりますかね!?こっちのほうが理解が早くありませんか?

同様に「エンゲージメント」という言葉も分かりづらいですね。英語の”engagement”なんですが、これも辞書には「(会合などの)約束、契約、債務、婚約、婚約期間、雇用、雇用契約、交戦、(歯車などの)かみ合い」とあって、じゃあ「エンゲージメントの高い組織」ってどういう意味になるんでしょうか。強いて言えば「雇用の高い組織」・・・になるんでしょうか。日本語になっていませんね。多分「入社してすぐに辞める人ではなく、長く勤務する人が多い組織」ということになるんでしょう。

日本は明治になって外国との交渉=外交が必要となって、外国語を日本語に「訳す」必要に迫られました。そこで新しい熟語がたくさん生まれました。私達がよく使っている「情報」という言葉も明治時代になって初めて登場した言葉です。先人は本当に苦労して新しい言葉を作ったのです。ところが今は情報の伝達速度が極端に速くなってい、適切な訳語を考える暇もない状況ですので、カタカナ英語が氾濫しているということだと思っています。
でもそれで良いと思ってもらっちゃあダメだと思います。ほとんどの日本人は日本で育ってそのまま暮らしているので、外国語の持つニュアンス(微妙な意味の違い)は理解できません。それでもなんとか似たような意味の日本語を「訳語」として用いるほうが、より多くの日本人に意味が伝わる思います。

IT系の人間(私も含めて)簡単にカタカナ英語を使っています。でも、それはある意味お客様を煙に巻く手法でもあります。中小企業診断士もそう。今実務補習の指導員をしているのですが、実務補習生には「専門用語を使っていないか?」を注意しています。業界用語は伝わらないんですよ、一般の人には。

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